決算行政監視委員会第一分科会質疑(H19.4.24)
地方分権改革一括法が成立し、具体的な地方分権対策に議論が進むことになります。地方分権に必要なのは、権限・財源を地方に自治体に移すこと、そして地方議会の活性化です。地方議会のチェック機能、政策立案能力が働かなくては、地方自治体による税金の無駄使いが広がることになるだけです。国会事務局が地方議会事務局と連携できないのか、情報のやりとりができないのか、国会が出来て以来、はじめての指摘による質疑であります。下記に内容を記載します。
決算行政監視委員会第一分科会(質問者:福田峰之 答弁者:駒崎衆議院事務総長)
○質問(福田)
昨年の臨時国会で地方分権改革推進法が成立をして、具体的な議論というものがスタートしたわけです。この権限、財源が地方自治体にゆだねられればゆだねられるほど、地方議会も、まず行政のチェックをするという機能もありますし、あるいは政策提案機関として地方議会が重要な役割を担うということになるわけです。ここで、各地方議会には各地方議会のサポートをする役目として議会事務局があります。地方議会の役割が変われば当然その議会事務局の役回りも変わります。議会をサポートするという役回りにおいては、衆議院の事務局も地方議会の事務局も同じではないかなというふうに実は私は思っています。こうした中で、衆議院事務局と都道府県議会あるいはまた政令指定都市の議会事務局とはどんな関係であったのでしょうか。省庁も人的な交流を行なっていますが、衆議院の事務局と地方議会の事務局との人的交流というものは一体どういう状況にあるのか、教えていただきたいと思います。
○答弁(駒崎)
ただいまの衆議院事務局と地方議会事務局との交流でございますけれども、衆議院事務局は平成十六年から北海道議会事務局と相互の人事交流を行っており、北海道議会事務局へ係長級の職員一名を出向させるとともに、調査局において係長級の職員一名の出向者を受け入れております。また、一般論として申し上げますと、衆議院事務局における定員管理とか立法補佐機能の維持等を念頭に置いた場合に、各都道府県の地方議会事務局との相互の人事交流には一定の限界があることは確かでございます。ただ一方で、各都道府県議会事務局から長期研修等の相当数の職員を受け入れる余地も残っていると思っております。地方分権の流れの中で、衆議院事務局として協力できるものに関してはできる限り協力させていただきたいと考えておりますので、各都道府県議会事務局にどの程度具体的な御要望があるかを踏まえまして、今後検討してまいる所存でございます。
○質問者(福田)
こうした人的交流により、例えば衆議院の実務を理解してもらって、それがまた各議会に戻ったときに学んだ知恵がそれぞれの議会で広がっていくということも考えられます。こうした人的交流も、平成十六年ですから始まったばかりですが、一定の人数を継続的に行わないと、単発的であっては意味がありませんので、こうした取り組みは継続的に進めていただきたいと思います。衆議院の事務局は多くの情報を有していると思いますが、衆議院の事務局とそれぞれの議会事務局の中で情報の交流というものはどんな形で行われているのか、伺いたいと思います。
○答弁者(駒崎)
情報交流でございますけれども、地方議会事務局との情報交流につきましては、定例的なものとして全国都道府県議会事務局職員研修会というものを、これは都道府県議会議長会の方で行っているものだろうと思いますが、それにつきましては、衆議院事務局は、毎年、議事部の職員を中心といたしまして国会における議会制度等について御質問を受けるような形で情報提供をしてございます。また、地方議会事務局からさまざまな分野において数多くの照会を受けておりまして、庶務部の広報課というところがございますが、適宜、そこでお答えするなり、また、特別の問題でございましたら、所管する部局の方に回して、そこで個別に情報提供を行ってございます。広報課で把握している件数といたしましては、平成十八年度には延べ六十件程度の照会がございましたので、それについてお答えしているところでございます。
○質問者(福田)
情報といっても価値のない情報では意味がないわけです。また、情報というのは、もらう側にとって価値があるのと提供する側に価値があるというのは違いますので、あくまで情報を得る側に価値のある情報というものが流れていって、初めて価値のある情報というものが有意義に使われるわけです。そこで、例えば各議会事務局からこんな情報があったら本当はうれしいんだけれどもという調査といいますか、各都道府県とか政令市の議会事務局にどんな情報があったらいいんですかということを過去において調べたとか調査したとか、そういうことは今まであったんでしょうか。
○答弁者(駒崎)
調査ということに関しましては、現在のところは、衆議院事務局の方で地方議会事務局がどういうふうな情報を必要としているかという具体的な調査はしたことはございませんが、あくまでも地方議会事務局からの御要望に応じて行っているということでございます。
○質問者(福田)
衆議院事務局の皆さんは本当に長い間議会制民主主義を支え続けたわけであって、議会運営のノウハウは当然手に入っているでしょうし、あるいは議会の情報の掌握なども当然行えていると思います。基本的には税を使って集められたものでありますから、いかにそれを共有化して、地方議会事務局に伝えていくかということは、私は大切な視点ではないかと思います。ぜひ、各議会事務局に対して、アンケートみたいな形がいいのかどうかわかりませんが、どんな情報が必要なのかということを一度調査していただきたいと思います。その際に、逆に言うと、今まで余り交流があったわけじゃないようですから、衆議院の事務局がどんな情報を把握しているかということ自体も議会事務局は多分知らないと思います。私たちはいろいろな資料をいただいておりますからわかりますけれども、多分知らないと思います。知らないから、これは聞き方をちょっと工夫しないと。知らないのに、何かありますかと言っても、そもそも何を持っているかわからないと、多分答えようがないと思います。これは、今まで情報のやりとりというのが、例えばこちらからこんな情報もありますよということを出していったというよりも、先ほどお話ありましたように議会事務局からの問い合わせに対していろいろお答えになられているということで、六十件ぐらいというお話もさっきありましたけれども、例えば具体的にどんな内容を聞かれているのか、ちょっと教えていただけますか。
○答弁者(駒崎)
地方議会事務局から照会を受けた具体的な事例でよろしゅうございますか。委員会とか本会議等の議事運営の手続、それから議員関係の諸経費、歳費、文書通信交通費等、それと国会議員は資産公開をしておりますので資産公開制度について、それから、衆議院の調査局の制度の概要、個別の議案の審議経過、請願の採択状況、インターネット審議中継についてですとか、衆議院のホームページ等のIT関係、そのほかには、毎年やっておりますけれども、夏季には省エネ対策ということで院内での服装等について協議しているとか、外国要人が来たときになされます国会演説をどういう形でやっているのかとか、国会議員が海外派遣に行くときの海外派遣の制度等、さまざまなことでございますけれども、一般的な情報といたしましては、衆議院のホームページを開いておりまして、それで会議録と議案の審議経過等は見られるようにはなっておりまして、前からいたしますと格段に国民への情報公開は進んでいるものと考えております。
○質問者(福田)
今幾つかの例示があったと思うんですが、ただ、地方議会の事務局の人は、どうしても衆議院に個別的に何かを問い合わせるということが、多分、これは私の想像ですけれども、敷居が高く感じていると思います。それは何となく私もわかるような気がします。ですから、今までですと聞かれれば丁寧に多分お答えいただいていたと思うんですが、今度は、聞かれたから答えるということではなく、もっとこっち側からどういう情報が必要なのかということを掌握していただければ、衆議院事務局側から各地方議会の事務局に、どういう形がいいかというのをもっと積極的に伝えていけるようなやり方とかがあったらいいのかなというふうに思います。
そして、先ほど衆議院のホームページというお話がございましたけれども、国民の皆さんに向けて情報を公開し提供する内容と各議会事務局が欲しいと思う内容というのは、多分、若干ずれていると思います。ですから、一般の国民の皆さん向けのものは充実させていただかなければいけないけれども、それがイコール議会事務局に必要なのかというのは、ちょっと検証していく必要性があると思います。こうした中で、新たな地方分権の社会に進もうとしている中で、最後に総括的な話になりますけれども、今後、衆議院事務局が地方議会の事務局に対して積極的に必要な情報を提供して、これから来る地方議会の時代の、地方議会の活性化につなげていくために、地方議会の事務局もしっかりと育っていただかなくてはいけませんから、そうしたサポートを、側面的に協力していくべき時代が来るのではないかと思うんですが、今後、衆議院事務局がこうした地方分権化社会の中でどういうふうなあり方があってしかるべきなのかなという、何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○答弁者(駒崎)
そもそも、衆議院事務局と地方議会事務局の関係というのは指導監督というふうな立場では全くございませんで、そういう意味では、お問い合わせに対して敷居が高いというお話がございましたけれども、そんなことはないので、ぜひお気軽にお問い合わせいただければ御丁寧にお答えいたしていこうと考えております。現在のところ、地方議会事務局からは個別の照会を除いて統一的な情報提供についての要望というのはまだ聞いていない段階でございますので、これは、全国都道府県議会議長会というのがございまして、そこの事務局もありますので、そこを通じまして具体的な要望があるのかどうか、議会事務局職員の研修等を含めましていかなる協力が可能であるか、都道府県議会議長会の事務局等と前向きに検討して協議していきたいと考えております。
○質問者(福田)
衆議院事務局の皆さんは、本当に私は都道府県とか政令市とかの議会事務局の見本に当然なれると思っていますし、今まで培ったノウハウをしっかりと各議会事務局に伝えていただくと、多分、それぞれが機能強化をして地方議会のサポートがもっとしっかりできるようになるのではないかなと思います。例えば、衆議院の事務局でつくられている資料、本当に私もよく使っていますし、大変有意義なものが多いと思います。例えばLANの、衆議院立法情報ネットワークシステム、これを開くと本当にいろいろなものがあります。立法調査情報とか法制立案情報とか委員会先例情報など、こうしたものは価値のある情報の一例だと思います。この通過議案要旨集、これは本当によく私は使っていますが、こうしたものも非常にいい資料だと思います。ですから、逆に言うと、こうした資料も、まあ紙媒体で送れば済むかもしれませんが、やはり時代はデジタル情報でないと加工したりとかいろいろなことができないので、デジタル情報としてどういう形かで議会事務局に提供されて、そしてそれがサポートに回ったりだとか、あるいは地方議会、地方議員自体にもそうしたものが伝わっていく仕組みを整えていくと、せっかく集まった価値のある情報がより生きてくるのかなというふうに私は思います。そうした今までとは違う時代が来るわけですから、それぞれの方々がそれぞれできる枠組みの中で、地方分権に移行する時代の中で、役割を一つずつつくり上げていったら私はいい社会になると思います。きょうは、こうした地方議会の事務局と衆議院事務局との関係についてお話をさせていただきましたが、ぜひ皆さんのノウハウを地方議会事務局にお伝えいただければなということをお願い申し上げまして、本日、これで終了させていただきたいと思います。
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