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2012年7月17日 (火)

福島原発被災地20キロ圏内の今~福島県大熊町・双葉町・浪江町

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風の音・鳥の鳴き声~静寂な町

風の音、鳥の鳴き声。文明による音が無い、静寂な町がある。福島原発被災地20キロ圏内の大熊町、双葉町、浪江町だ。解き放たれたダチョウの捕獲協力のために圏内入りした。僕達を待っていたのは見たこともない町だ。「原子力明るい未来のエネルギー」という看板がJR双葉駅の入り口に残っている。人間は科学に頼りすぎていたのではないか、自然と共に生きる知恵を忘れてしまったのではないか。この場に立ち、48年間の人生が走馬灯のように頭を過ぎる。日本のエネルギー政策、復興支援を考えると、感情的になってはいけない、冷静に、未来のためにという意識を常に持ってきたが、静寂な町が、僕らに投げかけるものは、それ以上に重かった。

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動物の命と人間の責任

避難勧告を受け被災者は地元から避難した。ダチョウ牧場から解き放たれたダチョウを捕獲し、牧場に連れ戻すために圏内を見て回る機会を得た。今回はダチョウを発見することは、出来なかったが、牛は野生化し、圏内を群れで移動する姿をたびたび見た。一方で、豚舎に取り残された豚がどうなっているのか、豚舎を見に行ってみると、豚がミイラ化している。家畜の命は人間が管理している。しかし、住民は一時避難のつもりであり、すぐに帰宅できると思っていたのだろう。どうあれ最後まで、命に責任を持つということが、どんな行動で完結すべきなのか、考えさせられる。

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放射線量は均一ではない

20キロ圏内は、場所によって放射線量が大きく異なる。ダチョウ牧場周辺は10マイクロシーベルト、第一原発付近は、持参測定器では、計測不能(19.9以上の計測不能)、また、放射線量が横浜とさほど変らない地域もある。それは、単純に福島原発に近いかどうかではなく、山、風、雨等の自然が織り成す舞台なのです。範囲が広すぎて、人工的に、短期間に放射能の除去をするなど非現実的であり、「圏内の除染は無意味だ」と同行して頂いた地元居住者が言う。

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地震が残したもの

一瞬にして、商店街がつぶれ、商売は中断された。コンビニエンスストアは、雑誌もあの時のまま、ブックスタンドに残り、太陽により表紙だけが色あせている。魚や屋は、屋根がつぶれ、ケースのみが光り続けている。当時の商店街の活気は、想像することも出来ない。道路では、強度の違いか、マンホールが起立し、演台と化している。

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津波が残したもの

遠くに海を見ることが出来る「富岡駅」は、駅舎から改札口まで、全てが津波に飲み込まれた。駅看板は津波の勢いに押され曲がり、電柱は折れ、何故か、銀色のゴミ箱だけが何事も無かったように、元の場所に設置されている。津波の生き証人と言えるだろう。

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火事場泥棒は最低な行為

現在、20キロ圏内は、居住者の一時帰宅、許可された限られた人しか、入っていない。しかし、当初は、泥棒が横行し、家庭に残された、わずかな財産が盗まれた。混乱に乗じて、外国人窃盗団が大挙して、圏内入りしたのか思ったが、それだけではないらしい。全国の日本人窃盗団も沢山いたという。被災した東北人は日本人であり、同国人として火事場泥棒など出来ないはずだと思っていたが、許せない日本人もいる。金品が盗まれた。犯人が捕まってみると従業員だった。という笑えない話もある。「絆」日本人と外国メディアから評価された「日本人」とは異なる日本人がいるのだ。

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20キロ圏内の将来

圏内避難から1年半、ここは今も、あの時も変らない。変りようがない。このまま、何十年も現況のままになる。居住者、土地所有者の将来はどうなるのか、この土地はどうなるのか、不安を通り越え、空虚な気持だと言う。今回同行した地元の方から、復興支援に対して、大変有意義な意見を聞かせてもらった。「元に戻れないことはわかっているし、田畑、魚港を元に戻しても、経済は成り立たない。現実は、厳しいので、圏内産の食料を都市部で購入してもらうことは困難だと思う。このまま、時間だけが過ぎ去り、避難生活がこれ以上続くことには、限界がある。放射能まみれの土地ゆえに、人がいないゆえに、全国の迷惑施設を全て受け入れ、賃借料を地元住民に支払ってもらいたい。逆転の発想で問題解決をして欲しい」地元居住者から、まさかこのような考えを聞かせてもらえるとは思わなかった。原発被害者が「地元に迷惑施設を受け入れてもかまわない」という意見を持っているとは想像もつかなかった。僕らが横浜にいて、聞くことと、現実に地元の方が考えていることにギャップがある。「現実を直視しろ、そして見極めろ」正に問われているのは、避難者の未来予測なのだ。

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